知っておきたい! 節分行事や豆まきの由来、正しいやり方・仕方
豆まきの正しいやり方・仕方とは? 意外と知らない節分行事の由来や作法・ルールをチェック!
<目次>
節分に豆まきをする理由・由来
本来、節分とは季節を分けるという意味で「立春、立夏、立秋、立冬の前日」のことをいいますが、中でも旧暦で新年の始まりと重なることの多い立春の前日が重要視されるようになりました。春を迎えるということは、新年を迎えるにも等しいぐらい大切な節目だったため、室町時代あたりから節分といえば立春の前日だけをさすようになりました(詳しくは「立春はいつ?意味や節分との関係」)。中世の陰陽道では、年越しにあたる節分の夜は、一年の中で陰から陽へと秩序が最も変わる日とされ、このような日には、普段姿を隠している鬼や魔物が出現しやすいと考えられていました。豆まきは、それらを追い払うための行事です。
豆まきは、古代中国から伝来した「追儺(ついな)」という行事に由来します。平安時代の追儺では、方相氏と呼ばれる鬼払いの役人が先導し、桃の弓と葦の矢で魔物を追い払っていましたが、次第に広範囲にまけて生命力を意味する豆にとってかわり、室町~江戸時代に庶民に広がったといわれています。社寺では「豆打ち」が行われるようになり、庶民は「豆まき」として親しむようになっていきました。
節分に豆まきで鬼退治する理由は? どうして鬼はあんな格好なの?
鬼は柊と鰯が大の苦手です(滋賀県の民芸品「大津絵」にみられる鬼のモチーフより) |
鬼というのは邪気の象徴です。「おに」という日本語は「陰(おん)」に由来するといわれています。「陰」とは目に見えない気、主として邪気のことをさし、それが「おに」なのです。また、隠れているこわいものとして「隠人(おんにん)」が変化したという説もあり、形の見えない災害、病、飢饉など、人間の力を超えた恐ろしい出来事は鬼の仕業と考えられていました。
また、鬼が住むのは鬼門である丑寅の方角なので、鬼は牛(丑)の角と虎(寅)の牙を持ち、虎の皮の衣服を着けているのです(※ヒョウ柄ではありませんからお間違えのないように)。詳しくは「鬼の正体とは?由来・生態・苦手な匂い・日本古来の鬼伝説【Q&A解説】」をご覧ください。
節分にまく豆が「大豆」の理由は?
大豆は五穀のひとつで穀霊が宿るとされており、米に次いで神事に用いられてきました。大豆は米よりも粒が大きく、ぶつけた時の音も大きいので、悪霊を祓うのに最適であることや、魔の目(魔目=まめ)に豆をぶつけて魔を滅する(魔滅=まめ)にも通じます。また、昔々、京都鞍馬山に鬼が出たとき、毘沙門天のお告げによって大豆を鬼の目に投げつけて退治したという話もあります。ただし、豆まきに用いられる豆は炒り豆でなくてはいけません。これは、生の豆を使って拾い忘れたものから芽が出てしまうと縁起が悪いとされているからで、「炒る」が「射る」にも通じます。つまり、「豆を炒る」=「魔目を射る」で「魔滅」となるわけです。大概、節分用に市販されている大豆は炒ってありますが、一応ご注意ください。
鰯や柊も節分に関係する理由はなぜ?
昔から厄払いには、臭いのきついものや尖ったものを用います。そこで、鬼の嫌いなものは「鰯(いわし)の臭い」と「柊(ひいらぎ)のトゲ」とされ、焼いた鰯の頭を柊の枝に刺し、それを家の戸口に置いて鬼の侵入を防ぐ「焼嗅(やいかがし)」という風習がうまれました。また、鰯を戸口で焼いて臭いをかがせることを焼嗅と呼んだり、鰯の頭を柊の枝に刺したものを柊鰯、鰯柊と呼ぶこともあります。木へんに冬と書く柊は、冬の寒気の象徴でもあり、冬から春へと変わる節分行事の意味がよくわかります。最近は焼嗅を玄関先に取りつけるお宅も少なくなりましたが、家の中に飾る方は多いです。また、節分に鰯料理を食べる方も多く、住環境の変化とともに取り入れ方も変わりつつあるようです。
【ちょっぴり雑学】「鰯の頭も信心から」
鰯の頭のようなつまらないものでも、信仰すれば非常に尊いものに思えることから、信仰心の不思議さを例えたことわざ。皮肉の意味で使われることが多いようです。
ところで、豆まきってどうやりますか? 各家庭で微妙に違う豆まきルール。典型的なやり方と比較してみてください >>>>